意外と知らない料理酒とみりんの使い方
あなたは、料理酒やみりんの正しい使い方、ご存じですか?
料理酒もみりんも、よく料理、特に和食で使いますが、入れるタイミングがちがうだけでも味や食感が変わってしまいます。不思議ですよね。これも理由がちゃんとあります。
実は、
酒もみりんもレシピに書いてあるから使ってるだけで、自由自在には使いこなせない
という人、かなり多いんです。
料理の上達のためには、料理酒とみりんのちゃんとした知識が必要
料理の上達のためには、料理酒もみりんも、ちゃんとした知識が必要です。このページを最後まで読めば、5分後にはマスターできますよ!
料理酒の正しい使い方
「日の出」さんでは料理酒やみりんを使ったレシピをたくさん紹介してます。
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料理酒だけで味付けした炊き込みご飯 「まさに料亭の味」
なんと料理酒だけで味付けした炊き込みご飯を炊いてます。そんなのあるんですね?って感じですよね。
米2合に水と料理酒100ミリリットルを入れてるだけ。(合計で水加減が普通になるように調整)。その上に油揚げを刻んで、人参をまるごと一本入れるというレシピです。通常モードで炊けば、にんじんも中までしっかりと火が通ります。この柔らかくなった人参、しゃもじで簡単に崩せますので、全体を下からくるっと混ぜ込むだけ。人参の甘さが引き立ちますね。まさに料亭の味です。
アルコールは炊飯器の熱などで、お子さんが食べても問題ないぐらい飛んでしまいますから安心ですが、ゼロにはなりませんのでアレルギーなどは注意してください。
料理酒と日本酒の違いとは 料理酒の方がうま味が多い
料理酒と日本酒、何が違うのでしょうか?
値段が違うだけじゃなくて、旨味(うまみ)も違うんです。料理の味を良くしてくれる「うま味」の量が違います。
原料の米の「削り方」が違う
どちらもお米を麹にして作る「お酒」であることは変わりません。が、実は、原料の米の削り方が違います。料理酒は、お米をあまり削らないことで、旨味を残したまま醸造します。米の外側にはアミノ酸のもとになるタンパク質が豊富なんです。
でも大吟醸など日本酒ははアミノ酸が多いと雑味が出てしまいます。そこで、実は、米を外側から半分以上削ってしまうんです。日本酒は飲みやすいお酒にするために、料理に必要な旨味成分が少ないんです。
そのため料理に使うとちょっともったいないんですよね。美味しく飲むために作ったのが日本酒、大吟醸などです。料理をするのに最適なように作ったのが料理酒になります。
塩が加えられているので「調味料扱い」の料理酒
そのため料理酒をお酒だと思って飲んでみると、、、そんなに美味しくないんです!実は結構しょっぱいんですよね。料理酒には実は食塩が加えられています。食塩が入ってるので、法律上「酒」ではなく「調味料」として販売されています。そのため酒販売の免許はない店でも販売できるんですね。スーパーの売り場で売られているもの、「お酒売り場」ではないですよね。
でもこの塩分が気になる方、例えば高血圧の方なんか気にしますよね?でも料理酒に入ってる塩は、ほんのわずか2%程度です。料理酒大さじ1杯の中には塩約0.3 G が含まれています。料理酒をたくさん使う料理の時には、塩の量を換算してみるといいかもしれません。でも大さじ一杯とか二杯の量に対しては、全然気にしなくて大丈夫です。
酒税もかかりません。でも「酒蒸しなんかの時には、香りが良い日本酒を使う」というのはアリですよね。
日本酒を料理に使うなら純米酒か普通酒がおすすめ
もし、日本酒を料理に使う場合は、米をあまり削らない純米酒か普通酒を使うのがおすすめです。大吟醸だと香りが強くて、普通の料理には邪魔をしてしまう可能性もあります。
食塩が入っていない料理酒=清酒
また、食塩が入ってない料理酒は、実は「清酒」と言って分類としては「お酒」になってしまいます。そのまま飲むには少し雑味が多いです。
料理酒の量は「適当」でOK
砂糖や塩はちゃんと計量スプーンで測った方が良いですが、料理酒は適当に使って OK です。多めに入れても旨み成分が増えるだけなので、味にはほとんど変化がありません。これで結構すっきりしましたねZ!
冬におすすめの「料理酒だけ鍋」
冬におすすめの「料理酒だけレシピ」が「料理酒だけ鍋」です。スープには料理酒と水を1対1で混ぜたもの。これを使うだけです。旨味成分や塩分も入っているので、他の調味料や、つけだれも必要ありません。
料理酒を一人ぶん100ミリリットル、入れます。たっぷり使っても大丈夫です。一リットル200円程度です。料理酒と同じ分量の水を加えて、火にかけて、具材を入れる前にしばらく沸騰させましょう。料理酒100ミリリットルにつき1分以上が目安です。2-4分以上に立たせると、アルコールが飛んで、風味が良くなって食べやすくなります。
アルコールじゃなかった料理酒の「温め効果」
具材は肉や魚など好きなものを入れて OK です。野菜の甘味や肉の旨味が染み渡ってきます。しかも体がぽかぽか温まってくる効果もあります。料理酒には血行促進に役立つアデノシンが多く含まれているので、体を温めて長く保温効果が続いてくれるんです。特に寒い時期、うまく料理酒を使うといいですね。
シンプルな「料理酒だけ鍋」だからアレンジ多彩
この「料理酒だけ鍋」、シンプルなのでアレンジレシピが多彩です。トマトの缶詰でイタリアンに。オリーブオイルとニンニクを熱しておいて、料理酒と水を1対1で入れて、トマトの水煮缶、カットタイプの缶詰を入れましょう。これで魚介類をメインに具材を入れると、トマト風味のうま味が出てきます。結構おしゃれですね。ブロッコリーなんかも合いますよ。本当に香りが良くて、料理酒だけとは思えません。とにかくもう丸1日グツグツ煮込んだような、深い味が染み出してます。
アルコールは飛ばしてあるので、心配はいりません。しかし、鍋の蓋を開けて換気扇の下でアルコールを飛ばすようにしてください。ダイニングに持ってきてカセットコンロなどでアルコールを飛ばすと蒸気を吸って酔っぱらってしまう可能性がありますからね。
調味料を入れる順番「ささしすせそ」
料理で調味料を入れる順番「さしすせそ」と言いますよね。
- 砂糖(さ)
- 塩(し)
- 酢(す)
- 醤油(せ)
- 味噌(そ)
と言われていて、実はお酒とみりんは入ってないんですよね。でも OK です。和食では定番の料理酒、どこで入れればいいんでしょうか。実はサシスセソの最初の砂糖の前に入れるのが正解です。「ささしすせそ」と覚えるのが正しいようです。
例えば「鶏と大根の旨煮」を作るなら、しょうが、ネギ、だし汁を沸騰させた後、料理酒を全体に回し入れます。そして鶏もも肉を入れて煮込みます。
料理酒の二つの効果
料理酒には二つの効果があります。
- 肉などの臭みを消すこと
- 肉を柔らかくする効果
があります。だから料理酒はなるべく先に加えるのがおすすめなんです。
アルコールは熱を加えるとニオイ成分を引き連れて蒸発する
アルコールは熱を加えるとニオイ成分を引き連れて蒸発するので、臭みを消す効果があるんです。熱を加えることが重要なんですね。だから最初に入れた方が効果が大きいんです。
沸点が低く保たれるから、お肉がしっとりと柔らかく仕上がる
そして料理酒を入れてから肉を煮込むと、お肉がしっとりと柔らかく仕上がりますよね。これはアルコールによって沸点が低く保たれるからなんです。肉が固くなるのは加熱によって肉の中の水分が失われてしまうからなんですが、料理酒を加えると沸点が下がります。そのぶん水分が抜けにくくなります。つまり水温が100°まで上がらないということなんですよね。
だから料理酒を最初に入れた方がより水分が抜けにくいということなんです。
10分煮たら、そこから醤油を入れて、落し蓋をして10分煮込みましょう。これで完成です。簡単ですね。調味料は他にありませんが、鶏と大根のうま煮、これだけで絶品です。ふっくらやわらかで、肉特有の臭みも全くありません。
焼きそばの麺をほぐす時に水ではなく料理酒を使うとべちゃっとしない
焼きそばを作る時に麺を水でほぐすのが普通ですが、焼きそばの麺をほぐす時に水ではなく料理酒を使うと、沸点が低いのでさっと蒸発してくれて、麺がべちゃっとしないんです。この裏技、かなりおすすめですよ。
みりんブームは千葉県流山市発祥
みりん、最近ブームですよね。みりんの「煮切り」を飲むというのが流行っています。
千葉県の流山市では本みりんの専門店があります。流山は江戸時代から「みりんのまち」と言われてます。本みりん研究所ではみりんの活用法を広めています。煮物のイメージが強いと思いますが、実はフレンチやイタリアン、そしてパンやスイーツにも使えます。調味料として使えるんですね。
みりんキャラメル 材料はみりんと生クリームだけ
おすすめなのが「みりんキャラメル」です材料はみりんと生クリームだけでオッケーです。とっても柔らかいんですが、口の中で溶かしていくと、すごく複雑な甘さが出てきます。佐藤とはやっぱり違いますね。
そもそも、みりんとは?
みりんは、もち米を発酵させた甘いお酒です。発酵度合いを調整して、糖分が多くなるようにしています。糖分は
- グルコース
- マルトース
- ファノスイソマル
- マルトース
- トレハロース
- キシロース
など9種類以上あります。オリゴ糖なども入ってます。そのため口の中に入れた時に感じる甘味のスピードが違います。奥深さや上品な甘みを感じられるんです。
みりんキャラメルの作り方は、
- 本みりん200ミリリットルと生クリーム(乳脂肪ぶん45%)200ミリリットル両方をフライパンに入れたら、
- 中火で混ぜながら煮詰めるだけ。ヘラでよくかき混ぜながら煮詰めていきましょう。
- フライパンを傾けてトロトロとゆっくり剥がれ落ちるようになって来れば OK です。ちょっと黄色くなってきますね。
- 形に入れて冷蔵庫で一日冷やせば、みりんキャラメルの完成です。
簡単ですよね。これは一度食べてみたいですね。甘すぎず「大人のキャラメル」という感じです。そして口の中の詰め物が持っていかれるような心配もありません。でも物足りないということもありません。
みりんを使って、「ふわふわしっとり」のホットケーキを作る裏技
みりんのおすすめの活用法が、ホットケーキミックスに
- 本みりんを大さじ1
- 溶かしバター
- 食用塩大さじ1
を加えるとホットケーキがふわふわしっとりになりますよ。
野菜だけの煮物でみりんを使うと効果的
みりんと砂糖、どちらも甘いですが、使い分けするなら、野菜だけの煮物でみりんを使うということを覚えておくといいですね。例えば、「かぶと油揚げの煮物」。タンパク質には油揚げが入っているだけなので、みりんを使うと、上品な甘みが出せます。肉や魚は旨味成分のアミノ酸が多いので、みりんの良さを生かせません。こういう場合には砂糖でもいいです。本みりんはちょっと高いですからね。
みりんも酒なので最初から入れるのがおすすめ
みりんも酒なので最初から入れるのがおすすめです。
- だし100ml
- 本みりん大さじ1
- 油揚げ一枚を刻んだもの
- かぶを3個、六つ切りに切ったもの
みりんを加えることで、甘味も加わって、更に煮崩れ防止の効果があるんです。
みりんを入れると煮崩れしにくくなる
これは覚えておきたいポイントですよね。アルコールと糖分が染み込むことで、煮崩れしにくくなるんです。最初に入れる方が効果的です。煮込んだら、薄口醤油大さじ1とかぶの葉っぱをくわえて、最後にちょっと煮込んだら完成です。
みりんは野菜だけの煮物に使うと最大限に効果を発揮します。そして入れる順番は最初です。
こんな料理の基本、ちょっと勉強するだけで料理がぐっと上達しますよ。
焦げやすいみりん 照り焼きでは最後に使う
みりんというと照り焼きに使いがちですが、最初から入れると焦げやすくなってしまいます。最後の方にかけて、火を弱めに使って最後に照りを出すのに使う、というのがおすすめのみりんの使い方です。
みりんの種類は3種類ある
みりんには3種類あります。
本みりんは「お酒」
本みりんは昔ながらのみりんです。アルコールを含んでいます法律上は「お酒」なので酒税もかかってきます。
みりんタイプ調味料は少し安い
みりんタイプ調味料はアルコールを含んでますが、食塩を加えてあるために、ちょっと安くなります。本みりんと同じように使うことができます。
みりん風調味料は「風味」だけ
みりん風調味料は、アルコールをほとんど含まないために、煮崩れ防止機能はありません。ただ料理の最後とか、ほうれん草のおひたしなんかで最後にちょっとかけると、みりんの風味が楽しめます。
日本人なら知っておきたい和食の肝、「料理酒とみりん」を賢く使い分けましょう。
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